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2012年03月01日(木)更新
芥川龍之介
蜘蛛の糸 (日本の童話名作選)
今日は芥川龍之介さんの誕生日です。
そうそう、今年は「芥川賞」も受賞者が話題を振りまいてくれて面白かったですね(^^;
さて、私にとっての芥川龍之介さんは、子どものときに読んだ、「蜘蛛の糸」が印象深い。
様々な悪事を働いた泥棒のカンダタ(犍陀多)が、地獄へ落ちてもがき苦しんでいるところを、生前に一度だけ行った善行「小さな蜘蛛を踏み殺そうとしたが思いとどまり、命を助けていた。」ことを思い出したお釈迦さまが、地獄の底のカンダタを極楽へ導こうと、一本の蜘蛛の糸をカンダタめがけて下ろした。
極楽から下がる蜘蛛の糸を掴み、極楽目指して上へ上へと昇り始めた。ところが糸をつたって昇る途中、ふと下を見下ろすと、数限りない地獄の罪人達が自分の下から続いてくる。このままでは糸は重さに耐え切れず、切れてしまうだろう。それを恐れたカンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだ。お前達は一体誰に聞いて上ってきた。下りろ、下りろ」と喚いた。すると次の瞬間、蜘蛛の糸がカンダタのぶら下がっている所から切れ、カンダタは再び地獄に堕ちてしまった。
この物語を読み、子ども心に地獄って怖いところだと思うと同時に、「自分さえ良かったら良い」という独りよがりな考え方はしてはいけないんだと素直に受け止めていたように思う。いい子だ(^^;;
さらに、半世紀を生きた今思うことは・・・
蜘蛛の糸で上へ上へと登ることが、現代においては、出世とか向上心とか会社を大きくすることなど現世利益のあくなき追求になっているように思います。
欲しいものを手に入れるためには、売上を上げるためには、試験に合格するためには、人一倍努力して、人と競い合い抜きん出ること、戦って戦って何が何でも一番にならなきゃ意味が無い。競争に勝てない人間は無能だ。
と、
こうした価値観が今の社会全体を支配しているように感じます。
一理はあるのですべてが間違っているとは言いませんが、芥川龍之介さんはきっと、極楽浄土を目指して蜘蛛の糸を登るということは、人と比べてどうこうではなく、自分自身の心を磨きましょうと言いたかったのではないかと思います。
感謝の気持ちをもち
足るを知り
身の回りをキレイにし
助け合い、分かち合い
喜ばれる人間へ。
こうした実践が心を豊かにし、周りから慕われ、自然と蜘蛛の糸が極楽浄土へつながっていく。
まさに、
「ぎゃあてい、ぎゃあてい、はーらーぎゃあてい、はらそうぎゃあてい、ぼうじそわか、般若心経」
である♪
みなさんの蜘蛛の糸はつながっていますか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
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